#木工の耕人

木工の耕人岩﨑翔<iwakagu>

静岡市街を抜け、安倍川に沿って北へ。
川幅がひらけ山の峰が青く重なって見えてくる頃、iwakaguの工房があります。
かつて木をイカダで運んだこの川の流れは
今も静岡の木工、ものづくりの中に残っています。
 
岩﨑さんと話して見えてきたのは「おさまり」という感覚でした。
八角トレーは、器の見え方と食卓の気配を静かに整える存在。
主役ではないけれど、あるとないとで生活のおさまりが違うのだと言います。
「収」か「納」か。きれいに収めることと、納得して納めること。
そのどちらも含んだ言葉のように思えました。
ぴたりとはめ込むのではなく、手の中の感覚や現場の勘のようなもので
職人の美意識に近いものなのでしょう。
 
形の終わりや丸みは、図面の中だけでは終わらず
空間や人の動きの中で決まっていく。
川を流れてきた木が、行き着く場所で静かに止まるように。
ものもまた、どこかで美しくおさまる形と瞬間を持っています。
その「おさまり」をiwakaguは今日も確かめています。